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創作童話その8 おわりのないゆめ その4
 夜、よう子は布団に入って、心の中でおばあちゃんに話しかけます。
―おばあちゃんの歌、よう子も歌いたいな。だからおねがい!もういちど、ゆめの中で歌ってほしい!
 何度もなんども、よう子は心の中で、強く願いました。
 自分がまだ目をさましているのか、それとも眠ってしまったのか、わからなくなったころ、遠くのほうから、かすかに何かの音が聞こえてきます。
 はじめのうちは、鳥のさえずりなのか、人の声なのかも聞き分けられないほどの小さい音です。
 しかし、だんだんと、その音が人の声で、その声は女性の声で、少しがらがらしていて、ようやく、おばあちゃんの声だとわかりました。
 おばあちゃんは、歌っています。
 歌声は、少しずつ、大きく聞こえるようになってきました。そして―

 
―はばたきなさい もっとそらたかく


 そう歌うと、おばあちゃんの歌声は、また少しずつ小さくなっていきます。


 よう子が目をあけると、もう外は、明るくなり始めていました。
 そのままよう子は、仏壇の部屋に行って、夢の中で聞こえた部分を歌ってみました。
―はばたきなさい もっとそらたかく
「もっとそらたかく」の歌詞に合わせて上を見あげると、天井の近くに小さな押入れがありました。
―あんな高いところに、おしいれがあったんだ…。
 その押入れは、まだ、よう子が一度もさがしたことのないところです。
 背のびをしても、ぜんぜんとどかないので、よう子は台所からイスを持ってきました。
 イスの上に立って、おばあちゃんが使っていた杖の先で、押入れの戸を横にずらしました。
 すると、押入れから何かが落ちてきて、床でこつんと音をたてました。
 よう子は、あわててイスから床におりて、落ちてきたものを手にとりました。
 四角くて、小さくて、軽い何かが、紙でつつまれているようです。
 よう子は、紙をていねいにめくり、四角い何かを取り出しました。
 紙でつつまれていたものは、カセットテープでした。そして、つつんだ紙には、文字が書かれていました。


その5へつづく
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[2014/06/10 00:00] 創作童話 | トラックバック(0) | コメント(0) | @
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